一般投資家の間で暗号資産の人気が高まるにつれ、それをいかに安全に保管するかの重要性が増している。その障害の一つとなるのが、デジタル通貨やNFT(非代替性トークン)などの暗号資産には、物理的な実体がないことだ。保有資産にアクセスする方法は多くの場合、「鍵」と呼ばれる暗号化コードに依存し、もしその鍵をなくしたり、盗まれたりすれば、資産を消失してしまう。もう一つの問題は、暗号資産を盗み出す新たな手口が次々と考え出されることだ。米データ分析会社チェイナリシスによると、暗号資産関連の犯罪は昨年、過去最多を更新し、詐欺師に奪われた暗号資産は総額140億ドル(約1兆7000億円)と、2020年の78億ドルから大幅に増えた。