ドルが年初来で唯一、大きく上昇していない場所がある。中南米だ。ブラジルやウルグアイの通貨はほぼ全面高となっているドルを相手に値上がりしている。ブラジルレアルは対ドルで年初来17%余り上昇しており、ここ3カ月近くの世界の通貨値上がり率でトップだ。チリペソ、ウルグアイペソはそれぞれ約9.5%、7.4%の値上がり、メキシコペソは約2.4%上昇している。これに対しドルは今年、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が追跡する主要通貨の約4分の3に対して上昇している。2022年に入って新興国通貨の押し上げ要因となっているのが、国際商品(コモディティー)価格の高騰だ。資源輸出に依存する新興国にとっては追い風が吹いており、新型コロナウイルス禍によって大きな打撃を受けた金融資産の持ち直しを支援している。