バイデン米政権内で、ロシアのサイバーセキュリティー大手カスペルスキー研究所に制裁を科すかどうかで賛否が分かれている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。カスペルスキーを巡っては、ロシア政府が同社の顧客を監視するためのツールとして利用する恐れがあると当局者が警告している。関係者によると、国家安全保障会議(NSC)は財務省に対し、ウクライナに侵攻したロシアに対する西側諸国の幅広い制裁の一環として、カスペルスキーに対する制裁を準備するよう求めている。財務省では制裁の準備が進められているが、その規模と範囲を巡って省内の制裁専門家から懸念の声が出ている。カスペルスキーのソフトウエアは世界中で数億人が利用しており、制裁の実施は容易ではない。