米労働者を対象とした薬物検査で陽性反応が出た人の割合が昨年、20年ぶりの高水準に達した。マリフアナ(大麻)検査で陽性率が上昇したことが主因だ。全米で人手不足が広がる中、企業が検査方針を緩めた可能性がある。米薬物検査大手クエスト・ダイアグノスティクスの年間薬物検査指数によると、同社が昨年、労働者を対象に実施した600万件超の大麻の尿検査のうち、陽性反応が出た人の割合は3.9%で、2020年に比べ8ポイント余り上昇した。この数字は2017年から50%アップ。娯楽用の大麻使用を合法化している州は当時、8州と首都ワシントンだったが、現在では18州に増えている。クエストのシニアサイエンスコンサルタント、バリー・サンプル氏は、陽性率が昨年上昇したにもかかわらず、従業員を対象に大麻検査を行った企業の数は近年、減少していると指摘した。