ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、投資家や預金者にとって通貨ルーブルを受け入れ難いものにした揚げ句、今度はルーブル需要を人為的に生み出そうと動いている。ロシアにとって唯一、生き残っている市場、つまり他に選択肢がないコモディティー(商品)の買い手から、需要を引き出そうとしているのだ。しかし、それも間もなく枯渇するかもしれない。30日の外国為替市場で、ルーブルはドル、ユーロの双方に対して上昇。ウクライナ侵攻を開始した2月24日の水準を回復した。資本規制や9.5%から20%への大幅利上げといった要因を背景に、ルーブル相場はロシア経済の実態からかい離している。フォーカスエコノミクスによると、ロシア経済は今年、西側諸国の経済制裁が足かせとなり、5.7%のマイナス成長に陥ると予想されている。