全世界で700万部を売り上げた学び直しシリーズ、「Big Fat Notebook」の日本語版がついに刊行! 大栗博司氏(カリフォルニア工科大学教授)「この一冊で、科学の全貌が見渡せる。中学生のころにこんな本がほしかった」、市岡元気氏(教育系Youtuber)「学校で習う理科がこんなにおもしろいなんてアリエナイ!」、吉森保氏(大阪大学栄誉教授)「カラフルで面白い。ノート風なので読みやすい。大人の学び直しにも最適」と各氏も大絶賛。物理・生物・化学・地学の基本を楽しく一気読みできる本として、大きな話題を読んでいる。
同シリーズの科学版『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』の発売を記念して、本文の一部を公開する。

アメリカの中学生が学んでいる「進化」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】Photo: Adobe Stock

「進化」とは何か?

 地球上に現存する生物種の多くは、何百万年も昔にはまったく違う姿をしていた。生物種が何世代もかけて変化していくことを進化という。

アメリカの中学生が学んでいる「進化」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】

 最初に進化論を提唱した一人がジャン=バティスト・ラマルクである。ラマルクは、1つの個体が一生のうちに獲得した形質が、次の世代に引き継がれると提唱した。確かに世代から世代に受け継がれる形質もあるが、はたしてすべての形質がそうだろうか? メンデルの実験によれば、けっしてそんなことはない。

 そこで科学者のチャールズ・ダーウィンが、自然選択に基づくもっとも重要な進化論を編み出した。今日、進化に関してわかっている事柄のほとんどは、ダーウィンによる発見と発想に基づいている。

アメリカの中学生が学んでいる「進化」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】

 自然選択説によれば、生物種は環境に適応するために、長い歳月をかけて変化していく。すべての生物は生存競争をしているが、住処や食料には限りがあるため、環境にもっとも適応した形質を持った個体がほかの個体を駆逐する。これを適者生存という。

アメリカの中学生が学んでいる「進化」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】

 生き延びるうえで有利な形質を持った個体は、繁殖の際に子にその形質を伝える。だから本当は、「適者生存・繁殖」と考えたほうがふさわしい。

 環境が変化したり生存競争が激しくなったりして、環境に適応できなくなった生物種は、絶滅する場合がある。絶滅とは、1つの生物種のすべての個体が死んでしまうことである。

絶滅:1つの生物種のすべての個体が死ぬこと
自然選択説の要点
・同じ生物種に属するすべての個体は、それぞれ異なる形質を持っている。
・個体は互いに生存競争をしている。
・生存に役立つ形質を持った個体は、より多く繁殖する。そしてその有利な形質を子に伝える。
・その有利な形質を持った個体は、数を増やしたり、もとの集団から独立したりして、やがて別の生物種になることがある。