全世界で700万部を売り上げた学び直しシリーズ、「Big Fat Notebook」の日本語版がついに刊行! 大栗博司氏(カリフォルニア工科大学教授)「この一冊で、科学の全貌が見渡せる。中学生のころにこんな本がほしかった」、市岡元気氏(教育系Youtuber)「学校で習う理科がこんなにおもしろいなんてアリエナイ!」、吉森保氏(大阪大学栄誉教授)「カラフルで面白い。ノート風なので読みやすい。大人の学び直しにも最適」と各氏も大絶賛。物理・生物・化学・地学の基本を楽しく一気読みできる本として、大きな話題を読んでいる。
同シリーズの科学版『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』の発売を記念して、本文の一部を公開する。
宇宙の起源をめぐる
3つの説
宇宙の起源については何百年も昔からさまざまな説が出されてきたが、証拠に基づいて支持されたものは数えるほどしかない。20世紀、時代ごとに支持されていた説を3つ紹介しよう。
定常宇宙論:宇宙はつねに一定の状態で存在し続けてきたとする説。宇宙が膨張するにつれて新たな物質が作られ、宇宙の密度は一定に保たれるとされる。1960年代以降に集まった観測結果や大量の証拠によって、ほぼ完全に否定されている。
振動宇宙論:宇宙は膨張と収縮を繰り返しているとする説。風船を膨らませてはしぼませ、再び膨らませて……、と繰り返すのに似ている。しかし、宇宙がいずれ収縮することを示す証拠は見つかっていない。
ビッグバン理論:宇宙は約140億年前に、原子よりも小さい1個の点から始まったとする説。超高温・超高密度のその点が、外側に膨張し始めた(「バン!」)。そうして新たに生成した物質が冷え、惑星や衛星や恒星などの天体が作られた。宇宙は現在も膨張している。
現在もっとも受け入れられている説は、ビッグバン理論である。新たな証拠が見つかるたびに改良が加えられている。