米国の買い物客は、見つけられる商品で手頃なものを選んで買っている。スーパーマーケットで消費者の忠実な行動を促すのに、もはや有名ブランドであることや派手な広告キャンペーンを展開するだけでは十分でないと、米小売業界の幹部は言う。インフレが加速し、サプライチェーン(供給網)のひっ迫で店頭の棚に欠品が増える中、買い物客は一段と移り気になり、入手しやすさと価格が購入の決め手となっている。ブランド乗り換えをいとわない消費者の態度は、スーパーマーケット店内の勢力図を一変させる可能性がある。クラフト・ハインツやケロッグなどの食品大手は、競合他社や、自社よりも供給が多く、棚の隙間をすぐ埋められるプライベートブランド(PB)に市場シェアを奪われる恐れがあると、業界幹部らは話す。スーパーマーケット側は供給不足に苦しむ一方、主要ブランドに対して自分たちの影響力が増し、新商品や割安な商品を試す余地が生まれたと話す。