ウォール街では何年も前から不思議な現象が続いていた。大口投資家が大量に株を売却する前に、その株の価格が下落するのだ。まるで他の投資家が、何が起きるかを知っていたかのようだった。ベイン・キャピタルが、カナダ・グース・ホールディングスの株を売却した時がそうだった。3Gキャピタルがクラフト・ハインツの株を、アポロ・グローバル・マネジメントがノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスの株を売却したときもそうだった。ブロックトレードとして知られるこうした取引は、売り手である投資家と、取引執行のために雇う投資銀行しか知らないはずのものだ。だがウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が2018~21年に行われたブロックトレード393件を分析したところ、売却に関する情報が日常的に取引執行前に漏れていたことが分かった。売り手は巨額の損失を被り、銀行および銀行の顧客であるヘッジファンドを利する違法な行為となりかねない。
米大手行のブロック取引、数字が示すリーク疑惑
ブロックトレードの58%で直前に株価が下落
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