叱るときは、リアルで対面すべき?

「叱るときは直接顔を見て」というのはこれまでよく言われてきたことで、実際に会えるのであれば、会って叱る方がいいでしょう。何度もお話ししてきたように、人と人とのコミュニケーションには、声音や表情、全身から漂う雰囲気などの非言語情報が大きな役割を果たしています。

 叱られる側の反省の度合い、落ち込みの度合いも、叱る側の気迫や気づかいも、そのほとんどは非言語情報に込められています。言葉にならない思いを伝え合うという意味では、深刻な案件ほど「会って話す方がいい」ということになります。

 けれども、テレワークだとそもそも部下が遠方に住んでいるケースなどもあり、そう簡単にはいきません。近日中に直接会う予定があるのならそのときを待てばよいのですが、1ヵ月後になってしまうなどという場合は、会うことにこだわらず、タイミングの方を優先してオンラインで叱ってください。

 オンラインで叱る場合、せめてメールや電話ではなく、顔が見えるウェブ会議ツールを使うべきだと思います。少なくとも、どんな表情をしているのかが見えるので、部下の理解度を表情からくみ取ることができるからです。

 私は以前、電話で部下を叱ったことがあるのですが、声からは反省しているように感じられなかったので、ついついヒートアップしてきつく叱ってしまいました。あとで周囲に聞いたところ、本人は非常に落ち込んでいて、私に叱られたことが追い打ちをかける形になったそうです。顔を見て叱っていればそんなことにはならなかったのに、と反省したことを覚えています。