「オイシイ」ブランドのイチゴは見た目は普通のイチゴと変わらないが、その味は「素晴らしい体験」だと生産者は話す。だが1粒約6ドル(約735円)の価値はあるだろうか? あると思っている買い物客は大勢いるようだ。米国のスーパーマーケットの青果売り場には、高価で手に入れにくいが通常の品種よりも味と見た目のいい果物が並んでいる。コットンキャンディーグレープやピンク・ア・ブー・パインベリー、オイシイのイチゴ、スモウ・シトラスのデコポンなどのブランド品は、1社または一握りの生産者によって作られていることが多く、買い手を特別なものを手に入れた気分にさせてくれる。ミズーリ州セントルイス在住のジュエリーデザイナー、オーラ・カバドロさんが、ピンクグロー・パイナップルのピンク色の果肉を初めて見たのはインスタグラムだった。1個50ドルという価格を目にし、購入を断念した。「絶望した」とカバドロさんは話す。「果物に50ドルも払うのは絶対に無理だ」