とある女性の「逃亡」が拡散、中国でバンライフを楽しむ人とは

 中国のバンライフを楽しむ主なターゲットを調べてみたら、意外な事実を発見した。熟年の女性が多いのだ。子どもが独立し、夫も定年退職…子育てと家事から解放された彼女たちは、家を載せたような車に乗って、第二の人生のハンドルを自分の手で握り、生きがいを求めに遠い旅へ出た。キャンピングカーの登場はまさにこれらの女性にとっては、願ってもない頼もしい援軍だ。

 2020年9月24日、河南省鄭州市に住む56歳の既婚女性、蘇敏さんは「冷たい暴力が続く」という家庭から脱出して一人のドライブ旅行に出た。思いもよらず、この投稿はあっという間にインターネットを賑わすニュースとなった。

 逃亡作戦の実施に踏み切ったこの日、彼女は早く起き、SNSに自分の宣言みたいな文章を投稿した。

「一生苦労してきた。若い時は家庭のため、夫のため、中年の時は子供のため、孫のために尽くした。高齢者になる日も近づいているのに、まだ自分のために一度も生きたことはない」

 だから、高速道路の最初のサービスエリアを通過した時、はじめて人生の素晴らしさをかみしめることができた。蘇さんのこの旅は逃避行の夢を実現したばかりではなく、CCTV(中国の中央テレビ局)をはじめ多くのメディアが追いかけるインフルエンサーに彼女を変貌させた。わずか1年後、車も正真正銘のキャンピングカーへ買い替えた。

 彼女の成功は、愛情なき家庭に縛り付けられた多くの女性に希望と勇気を与えた。

 会社などでより重要なポストにいた女性の場合は、より能動的に一人でのドライブ旅行に出る。あるドライブ旅行のネットグループを見ると、構成メンバーが1000人で車は600台あまりだが、女性ドライバーの車はそのうち200台にも及ぶ。このような状況を受け、今新たなビジネスが生まれている。