本田健 絶賛「すべての幸せがこの1冊に詰まっている!」
『92歳 総務課長の教え』の著者で、大阪の商社に勤務する92歳の玉置泰子さん。「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された現役総務課長だ。1956(昭和31)年の入社から総務一筋、勤続66年。「私に定年はない。働けるかぎりは、いつまでも頑張る!」と生涯現役を誓う“世界一の先輩”が、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。

【92歳の現役課長が教える】働き続けるうえで大切にしているたった1つのこと鳴田小夜子(KOGUMA OFFICE)

「いつまでも好奇心をかき立てる

【前回】からの続き

私が働くうえでの指針をもう一つ挙げるなら、「いつまでも好奇心を失わない」ことでしょうか。

気候変動の研究で2021年のノーベル物理学賞に選ばれた眞鍋淑郎さん(米プリンストン大学上席研究員)は、「もっとも面白い研究とは、好奇心が原動力となった研究だ」とおっしゃっています。

好奇心が重要なのは、私たちの仕事も同じではないでしょうか。何にでも好奇心を持ち、自分なりのアイデアで工夫を重ねていたら、毎日のルーティンワークですら楽しくなってきます。

「明日はこんなことを試してみよう」という気持ちになれば、明日がやってくるのが待ち遠しくなります。

40年ほど前の1981年、会社にパソコンが導入されたとき、私は51歳でした。

私が担当していた経理事務では、それまで手書きで台帳を記入していたため、どうしても転記や合算の間違いなどが発生していました。パソコンを活用すれば、そうしたミスが減らせるというので、「こんなにいいものはない!」と興味が湧いて、導入当時は毎日ワクワクしながら働いていたことを覚えています。

また、1983年からはTQC(全社的な品質管理)活動を展開していますが、いってみれば私は、昔から“ひとりTQC活動”を続けてきたようなもの。好奇心に導かれて仕事の質を上げる努力を続けてきたのです。

こうした、仕事を通じた「自己変革」は、私にとって楽しくてたまらないことでもあります。

いま、社会のいろいろな面で、価値観が多様化しています。仕事をする目的、仕事との向き合い方、仕事の進め方も、人それぞれです。

生涯現役で働くという私の生き方が、唯一の正解ではないこともわかっています。正解が一つではないからこそ、どの道を進むべきなのかを悩んでいる人も少なくないでしょう。

そんな悩める働き盛りの世代の人たちに、私の経験と考え方が少しでも参考になるとしたら、これに勝る喜びはありません。

【次回へ続く】