もしもわが子が「高校生で妊娠」したら?望まない事態を防ぐために親ができること写真はイメージです Photo:PIXTA

高校生で性行為を経験する男女が増加する中、もしも自分の子どもが妊娠したら(妊娠させたら)、自分が望まない妊娠をしてしまったら(させてしまったら)、一体どうしたらいいのだろうか。今回は高校生の時に妊娠を経験した女性の事例を紹介したい。彼女はなぜ、望まない妊娠をしてしまったのか。(ライター・グラフィックデザイナー 旦木瑞穂)

 日本財団が2021年、全国の17歳~19歳男女1000人に、性行為の経験の有無について調査した結果、23.6%が「ある」と答えた。また、初めての性行為の経験年齢は、17歳が最も多く27.6%。次に18歳で24.6%。3番目に16歳で20.7%。15歳以下は22.2%だった。

 さらに、「あなたが(または相手が)妊娠したと感じられる、あるいは妊娠が確認された場合、相手以外で誰に相談しますか」という質問には、「母親」が男女ともトップで、男性40.5%、女性50.6%となった。次は、男女とも「友人」だったが、3番目は男性が「父親」と回答したのに対して、女性は「医師」と回答していた。

 高校生で性行為を経験する男女が増加する中、もしも自分の子どもが妊娠したら(妊娠させたら)、自分が望まない妊娠をしてしまったら(させてしまったら)、一体どうしたらいいのだろうか。今回は高校生の時に妊娠を経験した女性の事例を紹介したい。彼女はなぜ望まない妊娠をしてしまったのか。

高校生で「初体験と妊娠」をした
20代女性のケース

 関東地方在住、現在会社員の溜田愛さん(仮名・20代)は、高校2年の秋頃、同級生の男子から告白され、交際をスタートした。母子家庭で育った溜田さんは、母親がフルタイムで働いており、彼は両親が共働き、大学生の兄はアルバイトのため、平日は午後8時頃まで家族は不在。そのため二人は、お互いの家でデートをすることが多かった。

 やがて、付き合い始めてから半年ほどたった頃、二人は初めてのセックスをする。それからというもの、二人は週に1~2回セックスを続けた。

 高校3年になると、溜田さんと彼は別の専門学校への進学を決め、交際も順調だった。

 ところが9月頃、事件が起こる。いつものように溜田さんの部屋で行為に及ぶと、彼が突然慌て始めたのだ。