考えごとをする女性写真はイメージです Photo:PIXTA

「自分はちゃんとやっているのに評価されない」という不満が漏れ聞こえる組織があります。それは本人の行動の方向性がズレているからなのですが、背景にはリーダーが決して目を背けてはいけない由々しき問題が隠れています。(イマジナ代表取締役社長 関野吉記)

「自分はこんなにやっているのに……」
不満が漏れ聞こえるワケ

「自分はこれだけやっているのに、なぜ評価されないのか」

 組織の中で、こうした不満を耳にする機会は少なくありません。

 当の本人は忙しく働き、言われたこともこなしている、と考えています。それでも評価されないとなれば、「評価制度がおかしい」「上司が自分をちゃんと見ていない」と、問題の原因を外部に求め始めます。

 しかし、経営の視点で見れば、本質は明確です。

 その行動が、会社が求める「貢献」になっていない。

 組織が評価するのは、会社が進もうとしている方向に沿った行動をしているかどうかです。

 そして、ここで経営者が直視すべき重要な事実があります。

 社員が自分の基準で「自分は仕事ができている」と思っているとすれば、それは社員個人の意識の問題ではなく、経営の根幹に関わる問題でもあるのです。

「理解していない基準」
では人は動けない

 社員が自分基準で「自分は仕事をやっている、できている」と思ってしまう理由は明白です。

 組織として一人一人に求める行動のレベルがどの程度なのかを、正しく理解できていないからです。

 何をすれば評価されるのか。何が会社にとって正しい行動なのか。どの方向に努力するべきなのか。

 この判断基準が共有されていなければ、人は必ず自分の価値観で判断します。

 その結果、本人は「自分は貢献している」「これくらいやれば十分だろう」と思い込んでいる一方で、会社からすれば評価できないという事態につながります。