頭のいい人が質問されたら放つ「第一声」、回答を導くキラーフレーズとは写真はイメージです Photo:PIXTA

「あの人、答えるのがうまいなぁ」……質問に対する答え方が、感心するほどうまい人がいる。元カリスマ予備校講師で、現在、東京大学大学院で「認知科学」をベースとした研究も行う犬塚壮志氏によれば、仕事ができる人や頭のいい人に共通する、ある“答え方”があるという。考え方をマスターすれば、誰でも会議やセミナーでも使えるという、その回答の組み立て方とは……?(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

鋭い質問をされたとき、たじろぐ人と的確に答える人がいる

「あのですねぇ……(とりあえず、何から答えるべきかなぁ)」
「えーと……(今、自分は何に対して答えればいいんだろう?)」

 相手から鋭い質問をされたときに、回答に詰まってしまった経験はないでしょうか。言葉を詰まらせつつ、懸命に考えて答えを絞り出したのに、なんだか相手にイマイチな表情をされてしまう……。

 その一方で、質問に対して「この人、デキる人だな……!」、そう思うような答え方をする人を見ると感心してしまいます。頭の回転が速く、質問に対する回答も適切。

 なぜ、こんな違いが生じるのでしょうか。実は仕事ができる人、とりわけ頭の回転が速い人は、質問の答え方からして違うのです。

 私自身、予備校講師として話す仕事をなりわいにしていました。人前に立ち、ロジカルな説明もすれば、情緒的なプレゼンもします。時には生徒を飽きさせない雑談も……。ありとあらゆる話し方が、予備校の教壇では求められていました。

 もともと人前で話すのは大の苦手だったため、売れている講師の授業を盗み見したり、映像授業を分析したりと話すスキルを徹底的に磨き、どうにか生徒の前で人並みに話せるようにはなりました。ただ、話し方の中でも、どうしても身に付けるのに時間を要したスキルがあったのです。それが、生徒からの質問に対する「回答スキル」でした。