究極のバランス感覚

平尾:改めてこの図を見て、小泉さんはバランス感覚もお持ちだし、すべてのパラメーターが高いなと。だから、小泉さんと競合するなら参入するのは絶対やめておこうと思いました(笑)。

小泉:失敗もたくさんしてきているので、その数が多いだけだよ。

平尾:常に最先端の市場で闘ってこられた。

小泉:社員に育ててもらったと思うよ。ミクシィでもメルカリでも、そのときそのときでいちばん面白い人材、いちばん尖った人材がいたから。社員もクリエイティビティが高かったからね。

平尾:スーパーなエンジニアやクリエイターがたくさんいらっしゃいましたよね。

小泉:そういう人たちを束ねて組織化するなかで、自分のクリエイティビティを発揮していく。結果的に、さらに社員も伸びていく。

平尾:小泉さんもクリエイティブな人ですよね。キャリアとしては先に資本市場に行きましたけど。

小泉:ああ、よくファイナンスの人って思われているみたいだけど、ファイナンスはあまりわかっていない(笑)。

平尾:またまた(笑)。

小泉:それなりにわかるんだけど、そんなに専門的ではない。一度、僕は研究されたことがあって、右脳と左脳の量が同じぐらいの珍しい人と言われたことがある。

平尾:どっちもいけるんですね。

小泉:右脳タイプの人の言ったことを左脳的に説明できたり、左脳タイプの人に言われたことを右脳で表現できたりするなど、ブリッジが脳内でできるらしい。それはかなり珍しいタイプと言われた。たしかにファイナンスをやるときは数字的な話をするけど、CMをつくるときはエモいことを言うからね。音にもカット割にもこだわっているし。

平尾:まさにプロデューサーの仕事ですよね。

小泉:でもそんなに細かくない。

そういう意味で言うと、進太郎さんはすごくいいコーチ。

平尾:そうなんですね。

小泉:細かいし戦略的ですごく頭がいいから。非常に本質的で、ともすると僕は本質的じゃない。自分が面白いほうに向かっていく傾向があるので、それを進太郎さんは本質的な議論で刺してくる。あそこまで強い軸とブレないものを持っている経営者と仕事をするのは、単純に面白い。僕は究極のナンバーツータイプだと思うね。

平尾:バランス感覚。なんでもできますからね。

小泉:社員からは器用だと言われるけど。