――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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巨大IT(情報技術)企業のインターネット広告は多くのマイナス要因に見舞われている。だが、その痛みは各社に均等ではない。
ネット広告大手各社の第1四半期(1-3月期)決算の発表は今後数週間内に行われる。決算発表を控え、この業界に対する市場の見方が慎重になっていることに注目したい。インフレ率の上昇や長引くサプライチェーン(供給網)の混乱、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に加え、アップルが昨年、個人情報の扱いを巡り「iPhone(アイフォーン)」のOSを変更したことなどの複合的な影響が、このセクターに一定の打撃を与えると予想されている。
ファクトセットの推計によると、グーグル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ツイッター、スナップ、ピンタレストの大手6社を合計した広告収入は前年同期比19%増と見込まれている。前年比での伸び率としては前四半期(2021年10-12月期)の28%、前年同期(21年1-3月期)の40%を下回る。
だが、だがその痛みは各社一様ではないと思われる。グーグルの親会社アルファベットの合計広告収入は前年同期比23%増の551億ドル(約7兆円)になると予想される一方で、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズは8%増の約275億ドルにとどまる見通しだ。
これは、メタが1月末に公表した低調な予測の範囲内だが、懸念は拡大しているようだ。ファクトセットによると、今月に入り、これまでに18人のアナリストが同社の広告収入予想額を引き下げている。