ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ侵攻によって北大西洋条約機構(NATO)が分裂することを期待していた。しかし、NATOは活性化され、今や拡大に向かっている。これは、NATOの拡大がロシアの攻撃的姿勢への対応であり、その姿勢を引き起こした理由ではないことを示している。フィンランドのサンナ・マリン首相は先週、NATO加盟申請の是非について、何週間かのうちに決断すると語った。同国議会は、今週この問題を協議する。スウェーデンもNATO加盟を申請する可能性が大きいようだ。地元メディアは、同国政府が何カ月かのうちに加盟申請する可能性を示唆している。ロシアはこれを歓迎していない。元ロシア大統領のドミトリー・メドベージェフ氏は先週、「スウェーデンとフィンランドがNATOに加盟すれば、NATOとロシアの地上の境界線は現在の倍以上の長さになる」と指摘。その上で、「イスカンデル・ミサイル、極超音速兵器、核兵器搭載艦船を文字通り両国の国土に手が届く場所に」配備することで報復すると警告した。こうした威嚇行為は、両国のNATO加盟の必要性を高めるものだ。