米ドルの安定性を再現する仕組みを持つ、新たな種類の暗号資産(仮想通貨)が登場している。だが、先々に災難が待ち構えていると批判的な見方をする専門家もいる。いわゆる「アルゴリズムステーブルコイン」はここ数カ月、人気が急上昇し、この業界にとってプラスかどうかを巡る議論が熱を帯びている。従来のステーブルコインは法定通貨(通常は米ドル)と1対1の価値を保つよう考案された担保型デジタル通貨だが、アルゴリズム型のステーブルコインはそのきょうだいとなる新鋭の暗号資産だ。従来型ステーブルコインの発行元は、現金や債券を保有しているため、デジタルコイン1単位あたり1ドル相当の実物資産の裏付けがあると述べている。一方、アルゴリズム型のステーブルコインは、必ずしも実物資産の裏付けはなく、代わりに金融工学を頼りにしてドルとの連動を維持している。中には失敗して、投資家が損失を被るケースもある。
暗号資産テラ、金融工学で安定図るが危ぶむ声も
アルゴリズム型のステーブルコイン、高利回りが人気を後押し
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