新年度が始まる4~5月は、多くの企業が研修を行う時期である。実務系研修の中でも人気なのがExcel研修だ。業務で必要だからというだけでなく、ビジネスマインドの育成や、数字に対する意識の醸成のためにExcel研修を行うところもある。業務に必要なスキルが仕事によって異なるため、業界によって求められる研修内容は違う、と語るのは多くの企業でExcel研修を行う熊野整氏。また、Excelを学ぶ方法も大きく変わってきているという。
Excelの学び方が変わってきている
あなたはこれまでどのようにしてExcelを覚えてきただろうか?研修や講座を受けた人もいるかもしれないが、困ったら周りの人に聞く、あるいは独学で、なんとかExcelを身に付けてきたという人が多数派ではないかと思う。
独学でExcelを学ぶ場合、従来は本を読んだり、ネットで調べたりという方法が主流だった。しかしそれも今となっては昔話。最近の若手ビジネスマンは、YouTubeでExcelの解説動画を視聴したり、オンライン講座を受けたりと、ネットの動画でExcelを学ぶのが当たり前になってきている。動画は情報量が多いため圧倒的に頭に入りやすく、本を読んで独学するよりも短時間で知識が身に付く。
この流れは独学だけではない。2020年から始まったコロナ禍で、新入社員を集めて行う研修が難しくなった結果、新卒研修にオンライン講習を採用する企業の数が激増した。筆者もUdemyでExcelのオンライン講習を行っているが、こうしたオンライン講習を新入社員に自宅で受けさせるのだ。最近ではさらに進んで、入社前、春休みの時点でオンライン講習を済ませておくように内定者に指示をし、4月に入社した後は集合研修でなくてはできないワークショップを行うという企業も出てきている。