他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そしてできれば、良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。
悪気のないことはわかってる。でも断りたい…!
いよいよゴールデンウィークが始まりましたね。今年は久しぶりに実家に帰る人も多いのではないでしょうか?
いくら大事な家族でも、義理の両親とのコミュニケーションには気を使います。何気ないひと言が、誤解を招くことも。
帰省中、こんなことはありませんか?
義理の両親から、どう考えても不要だなぁ…と思う物を、「これ、受け取って!」「持っていって!」と言われること。
そんなシーンで、
「結構です」
「いりません」
と伝えてしまうと、その場がちょっとピリつきますよね。なんとなく冷たい印象にもなりそうです。
断りたい、だけど相手の気持ちも大事にしたい。そんなときには、
「大変ありがたいのですが、お気持ちだけいただきますね」
と返してみましょう。感謝の気持ちを示しつつ、やんわりと断れます。受け取れない場合でも、相手の気遣いには応えたいですものね。
「お気持ちだけで十分です」もOKです。
目上の人からのサポートを断るときは
金銭的な援助や、何かしらのサポートをしたいと言われて、嬉しいけれど断りたい…と思うこともあります。そんなときには、
「今回は自分たちの力で頑張ってみたいので、見守っていただけるとうれしいです」
のひと言を。「自分たちの力で」の部分がポイントです。両親や義父母に対する、夫婦二人からのメッセージという印象を残せます。
今回は断るけれど、いつかお願いするかもしれない。そんな関係性なら、
「頼ってと言ってもらえて心が楽になりました。困ったときは頼らせてください」
と伝えてみましょう。
相手にとっては、結果的には断られたけれど、気持ちを楽にすることができたというコミュニケーションになり、ポジティブなイメージのまま会話を終えることができます。
身に余る物をいただいた!受け取らないほうがいい?
義父母にかかわらず、お祝いなどで、高級品や身に余る物を渡されて困った経験はありませんか?
そんなときは、相手の贈りたい気持ちを汲み、喜んで受け取るのがおすすめです。そして感謝とともに、
「今の私(私たち)にはもったいないですが、この〇〇にふさわしい自分になれるよう、愛用させていただきます」
と前向きな言葉を添えてみてください。
相手の厚意を上手に受け取れる人になりましょう。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)
一般社団法人JCMA代表理事、コミュニケーション講師。
企業や教育機関でコミュニケーション講師として活躍。15年間にわたって約7万人に「心を大事にするコミュニケーション」を伝えている。日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当。現場で使えるコミュニケーションスキルやマネジメントの考え方は再現性が高いと評判で、大手コンビニチェーンでの講演は「また来年も聞きたい講演会ナンバーワン」に選ばれる。著書に『オトナ女子のすてきな語彙力帳』など。