他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そしてできれば、良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。

誰からも好かれる感じのいい人が「連休前に送るメール」とはPhoto: Adobe Stock

感じのいい人は、送るメールもやっぱり素敵

 もうすぐゴールデンウィークがやってきます。5月2日と6日を休みにして、10連休の人もいらっしゃるようですね。ちょっと長めの休暇になって、現在進行中の業務や連絡は、いったんお休みという人も多いはず。

 連休に入る前にメールを送る際、どんな言葉で締めていますか?

 おそらく多くの人が、

「よろしくお願いします」

 ではないでしょうか?

 もちろんこれでもOKなのですが、ちょっと無難すぎる印象も受けますね。連休前ですし、いつもとはちょっと違うメールを送っておきたいなと思ったら、

「彩り豊かな連休となりますように」
「ゆっくりと過ごせますように」

 といったひと言で締めるのがおすすめです。

 願いを込めて「~ように」と締めると素敵な余韻が残ります。「またお話しできますように」などもいいですね。

「楽しい」「幸せ」の表現には要注意

 結びの言葉として言いがちな「楽しい毎日をお過ごしください」「幸せを願っています」。この言葉自体はとても素敵ではありますが、「楽しい」や「幸せ」という表現は、ときにハードルが高いと感じさせてしまうことも。テンプレートのように使うのではなく、相手の状況を見定めて使いたい言葉です。

周りの人への気遣いをプラス

 関係者への気遣いをメッセージにこめるのもよいでしょう。

 たとえば、

「ご家族にも、よろしくお伝えください」
「(会社の)皆様にもお礼をお伝えください」

 この場合の「よろしく」は「適度に」「ほどよく」の意味。自分の気持ちや様子を、相手の言葉で伝えてもらいたいときに使います。

 ゴールデンウィークや夏季休暇、年末年始など、ちょっと長めのお休みに入るときは、いつもとひと味ちがうメールを送ってみるのはいかがでしょうか。

(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)

吉井奈々(よしい・なな)
一般社団法人JCMA代表理事、コミュニケーション講師。
企業や教育機関でコミュニケーション講師として活躍。15年間にわたって約7万人に「心を大事にするコミュニケーション」を伝えている。日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当。現場で使えるコミュニケーションスキルやマネジメントの考え方は再現性が高いと評判で、大手コンビニチェーンでの講演は「また来年も聞きたい講演会ナンバーワン」に選ばれる。著書に『オトナ女子のすてきな語彙力帳』など。