他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そしてできれば、良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。
若手をほめるとき、言いがちな【NGほめ言葉】ワースト1
新年度も始まって、新入社員や新しいスタッフが入ったり、異動があったりして、環境に変化の多い季節です。
新たな人間関係を、気持ちよくスタートさせたいものですね。
良い関係を築くためにも、たくさんほめよう!と思っている方、多いと思います。
若手社員や部下をほめるときに、言いがちなNG言葉は、
「若いのに、結構やるね」
の言葉。ほかにも、
「若いのに気が利くね」
「女なのに頭が切れるね」
「男なのに丁寧だね」
「バイトなのに働き者だね」
「主婦なのに責任感あるね」
といった、「なのに」をつけたほめ方は絶対にNGです。
心の奥で相手をジャッジし、侮辱する態度が言葉に表れています。
むしろ逆効果とも言えるので、気をつけましょう。
それでは、ほめ言葉の正解って何でしょう?
もし相手をほめたいと思ったら
「◯◯さんならできると思っていました」
と伝えてみてください。
名前を添えることで「だれにでもできることではない」という特別感が出て、相手のやる気にも繋がります。
相手が環境に慣れてきたら、このほめ言葉を
相手に良い変化が少しでも見えてきたら、すかさずほめ言葉を伝えてみてください。
・良い成績を出した
・難しい交渉を成功させた
・新たな商品を完成させた
等、大きな成果がなかったとしてもです。
たとえば、
「板についてきましたね」
「すっかり溶け込んでいますね」
「手ぎわがよくなりましたね」
このように、変化に注目してほめてみましょう。
うれしい気持ちになるのはもちろん、「この人は私を見守っていてくれたんだ」と信頼感も生まれます。
新たな環境に入ってきた人は、大きな不安を感じています。
その不安を取り除くようなコミュニケーションができたら、相手はもちろん、自分もうれしいですね。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)
一般社団法人JCMA代表理事、コミュニケーション講師。
企業や教育機関でコミュニケーション講師として活躍。15年間にわたって約7万人に「心を大事にするコミュニケーション」を伝えている。日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当。現場で使えるコミュニケーションスキルやマネジメントの考え方は再現性が高いと評判で、大手コンビニチェーンでの講演は「また来年も聞きたい講演会ナンバーワン」に選ばれる。著書に『オトナ女子のすてきな語彙力帳』など。