再選を目指すトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、これまでで最も厳しい状況に直面している。有力な対立候補は眼鏡をかけた元会計担当者で、政策には強いがカリスマ性に欠ける人物だ。ケマル・クルチダルオール氏(73)は、エルドアン氏と同じくらい長期にわたってトルコの政治にかかわってきた。長老政治家として広く尊敬されているが、退屈な人物として嘲笑されてもいる。そんな同氏は2023年6月の大統領・議会選挙で、20年にわたり権力の座にあるエルドアン氏を打倒することを目指し、全く異なる色彩の野党6党による連合を率いる役割を担う。野党連合は、まだ大統領選の統一候補を決めていないが、クルチダルオール氏は最大野党の党首だ。