書店で一番売れているETF本の最新版『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』(朝倉智也著)が、2月16日に発売。投資先進国米国で、ほぼ毎年のように2桁成長を続けている注目の金融商品ETF(上場投資信託)。現在の純資産残高は約683兆円。一方、日本のETFの市場規模は2021年4月末で約60兆円。しかし、日本でもETFを投資の選択肢に入れる人が着実に増えている。特に注目度が高まっているのが海外ETFだ。(1)低コスト、(2)機動的な取引ができる、(3)分配金を受け取りながら運用できる、(4)究極の分散投資ができる、など多くのメリットがあるETF。本連載では、長期投資やETFに興味がある人に向けて、そもそもETFとは何か、その賢い選び方・買い方、資産運用としてのETFとの付き合い方などについて、同書から一部を抜粋して公開する。
長期投資の効果はどのくらいあるのか?
次に、長期投資の効果について見ておきましょう。
たとえば、私がお勧めするポートフォリオで分散投資して長期間運用した場合、過去の市場環境ではどのような運用結果になったでしょうか?
【下図表】は、スタンダード運用タイプのポートフォリオで運用した場合、投資開始時期によって1年(上段グラフ)、5年(中段グラフ)、10年(下段グラフ)の運用パフォーマンスがどう変化したかを示したものです。
たとえば上段のグラフを見ると、2002年3月にこのポートフォリオで運用を開始した場合、1年後のパフォーマンスは年率でマイナス14.2%です。
2007年12月に運用を始めた場合の1年後のパフォーマンスは、マイナス42.7%でした。この間にリーマン・ショックが起き、あらゆる資産の価格が下落したことを思い出していただければ、このパフォーマンスも頷けるでしょう。
1993年12月から2020年4月まで317カ月のうち、投資をスタートして1年後のリターンがマイナスとなるのは95カ月あります。平均リターンは年率で8.5%です。