【発達障害専門の精神科医が教える】正論で相手を打ち負かそうとしてしまう人の共通点とは？

2022.4.23 2:45

本田秀夫

ほんだひでお

信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長
特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事
精神科医。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。2011年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長。2018年より、同子どものこころの発達医学教室教授。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。日本自閉症スペクトラム学会会長、日本児童青年精神医学会理事、日本自閉症協会理事。2019年、『プロフェッショナル仕事の流儀』（NHK）に出演し、話題に。著書に『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』『発達障害生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』（以上、SBクリエイティブ）、共著に『最新図解女性の発達障害サポートブック』（ナツメ社）などがある。

「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる

「あなたがやるべきと思っていることは、本当はやらなくてもいいことかも？」。発達障害を専門とするスペシャリストで、キャリア30年以上の精神科医が、「苦手なものを克服するのではなく、社会のルールに合わせながら、生きやすくなる方法」を伝授。発売前から話題の『「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる』の内容を一部抜粋して紹介します。

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「人の気持ち」よりも「事実や論理」に意識が向きやすい

自分の意見を伝えたほうがいい場面ではしっかり提案し、そうではない場面では相手に話を合わせる。そんなふうに、臨機応変にやっていければコミュニケーションもスムーズにいきますが、どうしても自分を曲げることに抵抗を感じるのであれば、無理をする必要はありません。

どんな場面でも、しっかりと主張できることが高く評価される職場もあります。

それぞれのスタイルに、それぞれのよさがあります。

自分はどんなスタイルなのか、考えてみてください。相手に合わせて調整するのが得意なら、その長所を生かしましょう。

人に合わせるのが得意な人もいれば、苦手な人もいます。

とくに自閉スペクトラム（AS）の特性がある人には、基本的に「臨機応変な対人関係が苦手」という特徴があります。

どちらかというと「人の気持ち」よりも「事実や論理」に意識が向きやすいのです。そのため、人に合わせて話を変えなければいけないような場面には、抵抗を感じやすい傾向があります。

そのような場合は、自分の発言や行動を無理に調整しようとしないで、自分と相性がいい相手、相性がいい環境を探すようにするといいかもしれません。

コミュニケーションには相性もあります。

うまくいかないときには、自分のことばかり責めるのではなく、「相性が悪いのかもしれない」と考えてみるのも、ひとつの方法です。

（本原稿は、本田秀夫著『「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる』より一部抜粋・改変したものです）

本田秀夫（ほんだ・ひでお）
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長
特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事
精神科医。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。2011年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長。2018年より、同子どものこころの発達医学教室教授。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。日本自閉症スペクトラム学会会長、日本児童青年精神医学会理事、日本自閉症協会理事。2019年、『プロフェッショナル仕事の流儀』（NHK）に出演し、話題に。著書に『「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる』（ダイヤモンド社）、『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』『発達障害生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』（以上、SBクリエイティブ）、共著に『最新図解女性の発達障害サポートブック』（ナツメ社）などがある。