前回(第2回)は、ハッピーキャリアを作るための5つのタネのうち、2つのタネをご紹介しました。今回はその【後編】として3つのタネをご紹介します。
3)どんな人たちとどんな環境で働きたい?
「人間関係と職場環境」というタネ
「人間関係と職場環境」とは、どんな人たちと、どんな環境で働きたいのか、を実現するタネです。
あなたは仕事を通じてたくさんの人と関わりを持ちます。たとえば、上司(先輩)、同僚、部下(後輩)、またお客様や業者さんなど。そんな人たちと、あなたはどんな人間関係を築いていきたいですか? 「ウーマンtype」の編集長時代、働く女性に「今、仕事上で気になること」をアンケートで聞くと、必ずといっていいほど「人間関係」が1位になったものでした。それだけ、仕事における人との関わり合いというのはあなたのキャリアにいい影響も悪い影響も与えているものなんです。
私がまだ新人の頃、たくさんの営業の先輩に同行させていただく中で、お客様と商談しかしない先輩よりも、お客様の懐に飛び込んで、公私ともに可愛がられている先輩がとても魅力的に思えました。特に影響を受けたのはリクルートのOBで現在数々の営業関連本を出版している高城幸司さん。高城さんに営業同行させていただいて驚いたのはお客様の趣味などを知り尽くしていることでした。「仕事は仕事」と割り切って、無駄な時間を使わないほうが一見効率がよさそうですが、高城さんは、たとえお客様が異動されて直接のお客様でなくなったとしても、見込み客を紹介してくれるなど関係が続いていくので、結果的に成績は常にトップなんです。
そんな姿に憧れ、いつしか私もお客様に限らず、上司でも部下でも、外部スタッフでも、取材先であっても、利害関係だけでつながる人間関係ではなく、人と人との絆を結んでいきたいと思うようになりました。それが私の人間関係のタネです。
「職場環境」というのは、かかわる人も含めた仕事をする場所のことで、組織の規模の大小や社風といった職場環境のことです。たとえば若い人が多くて勢いのある会社が好きな人もいれば、1人ひとりに裁量権が与えられている自立した組織で働きたいという人もいるでしょう。
私の場合、会社の大小に関わらず、私が所属する組織は新しい試みを提案できる柔軟性があり、それをおもしろがるメンバーがいて、実行しやすい小所帯であることが理想。そういう意味で、最初に就職したリクルートは大きな会社でしたが、新しい商品やサービスに積極的に取り組む社風でしたし、転職したキャリアデザインセンターはベンチャー企業だったので、組織が未成熟な分、かなりの裁量権を持って自分のアイデアを実現することができました。
あなたはどのような職場環境で働きたいですか? これまでの自分を振り返ってみると、どんなタネを持っているのかが見えてくるはずです。それは今のあなたと一致していますか? それともギャップがありますか? 特に女性の場合、職場環境によっては女性というだけで出世や評価に響くことがあります。『ウーマンtype』時代に取材した女性の中にも、転職をし、環境を変えただけでキャリアアップにつながった女性がたくさんいました。そういう意味で、一緒に働く人、勤める会社の選択は特に女性にとって重要なものですので、1度しっかり見直してみましょう。