以前、スポーツジャーナリストの二宮清純さんからとても興味深いお話をうかがったことがありました。

 スポーツ選手には

 最初から失敗しない「超一流」

 失敗をこやしにできる「一流」

 同じ失敗を繰り返す「二流」

 失敗したことにも気づかない「三流」

 失敗を恐れて何もしない「四流」

 がいるといいます。

 超一流は無理でも一流は目指せると二宮さん。この話、仕事にもあてはまるなと思いました。というのも、新卒教育をしていたときに気づいたことなのですが、仕事覚えの早い器用な新人よりも、ちょっと出来の悪い不器用な新人のほうが後になってみたら成長していたということがあるんです。

 営業に配属された新人さん2人を例にとってみましょう。

 1人は先輩さながらのトークを携え、アポイントを取るのもお手の物の「器用」さん。すぐに初受注もあげました。

 もう1人は先輩や上司から教えられたようには、なかなか仕事を進めることができない「不器用」さん。やる気が空回りして失敗ばかりの自分にいつも悔しい思いをしています。なかなか成績も上がりません。

 でも、「不器用」さんは、器用さんよりも努力を始めます。努力、といっても、もともと不器用ですから、そんな難しいことをするわけではありません。「器用」さんよりも、たくさんのアタックリストを作るとか、営業中にさぼらないとか、少し遅くまで会社で作業をするとか、そんなちょっとした違いです。でも、このちょっとした違いがいつしか大きな差になり、気づいたときには「器用」さんより売れるようになりました。