ウクライナのブチャにおける罪なき民間人の大量殺害は世界を恐怖で震え上がらせた。ロシア軍兵士は戦争に関する既存の法とルールを破り、子どもに性的暴行を加え、男女を問わず拷問にかけ、彼らを処刑のような形で撃ち殺した。同様の犯罪は、ハルキウ、マリウポリ、チェルニヒウ、クラマトルスクでも行われた。このうちクラマトルスクでは、女性と子どもを中心とする民間人4000人が集まっていた鉄道駅に、ロシア軍がトーチカU弾道ミサイルを撃ち込んだ。ロシアのウクライナ侵略戦争の犠牲者には、世界秩序と安全保障に関する戦後システムも含まれる。さまざまな国際安全保障組織が設立された際に、阻止することを目指していたあらゆる行為をロシアは実行してきた。ロシアが常任理事国となっている国連安全保障理事会が平和維持の役割を担うことなど、どうしてできようか。欧州安保協力機構(OSCE)の加盟国の一つが他の加盟国を攻撃し、何千人もの民間人を殺害している状況で、大陸における安全保障上の協力がどんな形で可能なのか。こうした組織は機能しなかった。かつての国際連盟と同様に、これらの組織はより実効性のある新たな国際組織に取って代わられなければならない。超大国の利益だけでなく、すべての国の利益に奉仕する新組織にだ。
【寄稿】ロシア戦争犯罪を可能にした国連=ウクライナ国防相
国連安保理の常任理事国がウクライナに侵攻、自由世界は反撃する必要がある
有料会員限定
あなたにおすすめ