サウジの王族らが6億ドル(約772億円)を上回る不動産やヨット、美術品などを欧米で売却していたことが分かった。同国の事実上の支配者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、王族向けの支給を減額したことが背景にある。事情に詳しい関係者によれば、サウジの王族らは所有する物件のメンテナンスや納税、スタッフの給与、飛行機やボートなどを停泊させる費用の支払いにキャッシュが必要な状況となっている。また、王族の特権抑制を続けているサルマン皇太子の目に留まらないよう、派手な資産保有を控える意図もあるという。サウジ政府は、これらの売却について把握しているという。事情に詳しい関係者は、「王族は働いておらず、大規模なスタッフを抱えており、(サルマン皇太子)を恐れている」とし、目につく資産ではなく手元にキャッシュを置いておきたい考えだと述べている。