中国の首都・北京では、新型コロナウイルスの感染拡大で全面的なロックダウン(都市封鎖)が実施されかねないとの懸念から、食料など生活必需品をため込もうと市民がスーパーに殺到している。外国人や各国の大使館、国際的なメディア組織が集まる中心部・朝陽地区の居住者や勤務者を対象に、当局が新型コロナウイルスの一斉検査を開始したからだ。朝陽では25日午後までに29人の新規感染者(直近24時間との比較で8人増)が報告されるなど、急速に感染が拡大。これを受け、地元当局は今週、同地区の350万人を対象に3回の検査を義務づけた。またコロナ検査の実施を理由に、複数の主要区域で住民の移動を制限すると発表した。北京当局は上海で起きた混乱の再現を避けようと躍起になっている。ロックダウンが5週目に突入した上海では、経済が大混乱に陥り、厳しい封鎖措置に対して市民の怒りが高まっている。中国最大の金融拠点である上海の市政府によると、25日段階で新規感染者数は1万9455人に減少した。だが、徹底した封鎖措置や大量検査、厳格な隔離措置を導入して4週間が経過しても、新規感染者数は次に感染者が最も多い吉林省の100倍を超えている。