米航空機大手ボーイングと米連邦航空局(FAA)は長年、中型旅客機「787」(ドリームライナー)の納入について「完璧は善の敵」であるかのようなアプローチで臨んできた。FAAは安全性に差し迫った脅威がない限り、多少の欠陥があってもドリームライナーの納入を認めていた。ボーイングは機体が就航した後、こうした不備に対処できるとみていたためだ。政府関係者や現旧のボーイング幹部らが明らかにした。だが、こうしたアプローチはもはや消えた。ボーイングの小型機「737MAX 」が2度にわたり墜落事故を起こしたことで、同社工場から出荷される機体はすべて綿密な検査が徹底して行われる新たな時代を迎えた。その結果、ドリームライナーの納入で遅延が相次ぎ発生。ボーイングと、およそ250億ドル(約3兆2100億円)相当のドリームライナー納入を待つ航空各社の双方にとって大きな頭痛の種となっている。生産に絡み一連の問題が発覚し、直近ではチタン部分や接着材、留め具などに絡むトラブルに見舞われた。内情を知る関係筋が明らかにした。