大きなリターンを手にしたいESG(環境・社会・企業統治)投資家にとって、最も優良なグリーン銘柄は割高になりすぎている可能性がある。近年、ESGファンドに大量の資金が押し寄せている。モーニングスターによると、同ファンドの運用資産額は昨年末時点で2兆7400億ドル(約355兆2000億円)に上る。だが、最も優良なグリーン銘柄が買われているということは、そうした銘柄にプレミアムがつくことを意味している。そこで一部のファンドマネジャーは代わりに、ESG評価の改善に取り組んでいる企業に目をつけている。「従来のESG投資といえば、ベストな企業の株を買うことだった。それはうまくいった。しかし同じ機会を追い求める人が増えるにつれ、パフォーマンスは悪くなる一方だ」。フランスの資産運用会社アムンディの株式担当責任者、カスパー・エルムグリーン氏はこう話す。「すでに素晴らしい企業に投資しているわけで、今後の伸びしろはどれくらいあるのか」