上海の日常生活が行き詰まっている。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が2カ月目に突入し、市の社会サービスの一部が崩壊しているためだ。そうした中、一般市民がサービスの穴を埋めるべく立ち上がっている。中国のハイテク大手で働くエンジニアやプログラマーを含むボランティアたちは、災害救助や医療、ペットの保護施設、限られた食材での調理方法など、必要な情報を提供するためのデータベースやネットワークを構築している。病院や公共交通機関が使えず、外出もままならない上海で、そうした動きは2500万人の市民を支えている。人工知能(AI)を活用し、患者の医療ニーズに合わせて医師をマッチングさせるプラットフォームや、クラウドソーシングによる医薬品や防災用品の調達のヒント集など、取り組みはさまざまだ。