米国で新型コロナウイルスのオミクロン株の新亜種感染が拡大している中、リスクがまだ残るとはいえ、直近の感染拡大による重症患者の急増は見られない。感染力の強いオミクロン株「BA.2」が廃水から初めて高い水準で見つかった米北東部では、ここ2週間でウイルスの水準が徐々に低下したようだ。この地域での新型コロナ患者の入院は増えているが、重症患者が急増し病床が逼迫(ひっぱく)したこれまでの感染拡大に比べるとはるかに少ない。ブラウン大学公衆衛生大学院の学部長で救急医のメーガン・ラニー氏は「米国での今回のコロナ感染の波はこれまでほど危険ではない」と述べた。同氏は、急速に変異するウイルスは引き続きリスクをもたらすと指摘している。ニューヨーク州はより感染力の強い「BA.2.12.1」のホットスポット(一大感染地)となっている。バイオボット・アナリティクスのデータによると、3月半ば以降で全米の廃水中のウイルスの水準は3倍になったが、オミクロン株の感染が急拡大した時に比べると少ない。