ウォール街は、暗号資産(仮想通貨)に投資を熱望している多くの顧客にメッセージを送っている。「皆さんの話には耳を傾けていますよ」と。かつてデジタル資産の台頭を懐疑的に受け止めていた米国の大手銀行・証券会社・証券保管機関の多くが今、市場に参入する姿勢を示し始めている。デリバティブ(金融派生商品)市場の業界団体、米先物業協会(FIA)のウォルト・ルッケン氏は「伝統を重んじる業界が目を覚まし、現在起こっていることを広く受け入れた瞬間だ」と話す。業界幹部によると、最近では暗号資産の有用性に関する啓示についてよりも、単純な現実についての会話が増えているという。つまり、彼らが今考えているのは、ライバルにビジネスを奪われたくないということだ。