米連邦準備制度理事会(FRB)は新型コロナウイルス禍に見舞われた経済と金融市場を支えるため、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を中心に保有資産の規模を2倍超の9兆ドル(約1170兆円)に増大させた。FRBは4日、バランスシートの縮小方法に関する計画を発表する見通しだ。そのペースは前回の縮小局面よりも急激となり、金融市場により大きな混乱をもたらす可能性がある。FRBが「量的緩和」と呼ばれる大規模な債券買い入れを最初に始めたのは、2007~09年の金融危機時とその後だ。FRBの政策金利がゼロ近傍にあったため、長期金利を押し下げ、投資家のリスク資産購入を促し、株式・社債・不動産価格を支えることで、経済成長をテコ入れしようとした。2014年にはバランスシートの拡大を停止。満期償還金の再投資は続けた。2017年になると刺激策はもはや不要と判断し、バランスシートの受動的な縮小(保有債券を公開市場で積極的に売却するのではなく、償還金の再投資を見送ること)を始めた。
FRBの二重引き締め、利上げと資産縮小の効果は
量的緩和の巻き戻しが経済成長や市場に及ぼす影響を分かっている人は誰もいない
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