米連邦最高裁判所が人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」について、最高裁が判決を覆す準備を進めている可能性を示唆する意見書の草稿がメディアに流出したことで、中絶の権利を巡る問題が全米の政治論争の焦点となっている。民主党は中間選挙を前に、中絶へのアクセス保護を目指す法案を計画している。一方、共和党はこのニュースを歓迎しつつ、草稿のリークを批判している。中絶問題は賛否が真っ二つに割れている。最高裁の意見書の草稿は、政治ニュースサイトのポリティコが2日に報じた。ポリティコによると、起草したのはサミュエル・アリート判事で、最高裁の見解とされ、最高裁判事の多数派の支持が集まっていることが示唆されている。ジョン・ロバーツ最高裁長官は、2月に作成された実際の草稿であることを認めたものの、必ずしも最終決定ではないと述べた。最高裁の広報担当者はコメントを控えた。