ドラマの続編は往々にしてオリジナル版の退屈な焼き直しになるものだが、欧州連合(EU)が打ち出した経済制裁第6弾は、ロシア産原油の禁輸という劇的なひねりを織り込んでいる。欧州委員会は4日、EUによるロシア産原油の購入を6カ月以内に禁止し、石油製品も年内に禁輸対象とすることを提案した。そうした措置を取るのはEUが初めてではないが、EUはロシアが輸出する原油と石油製品の半分近くを購入しているため、この動きは大きな影響をもたらす。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も、この「武器」を見逃すことはないだろう。EUは数週間前からロシア産原油の禁輸を議論してきたが、ドイツが代替供給元を見つけた頃からその機運が高まってきた。ハンガリーとスロバキアには、同様に代替供給元を見つけるまで20カ月の猶予がある。ただ、禁輸案の承認にあたっては、ハンガリーによる拒否権行使の可能性も残っている。