不可解な出世の才能を持っている人は、ほとんどの会社に存在する。彼らは派手な役職名を与えられており、給料もそれに見合っているのだろうと同僚から思われている。こうした人々は具体的に何をしているのだろうか。おべっかを使って出世する人もいれば、同僚の働きに便乗する人もいる。また、ゴルフをする人、ズーム会議で締めの役割を持っていく人、内容のつまらなさやミスを愛嬌(あいきょう)でカバーしてしまう人もいる。失敗しても出世する同僚に対する職場の不満は目新しいものではない。だがオフィス勤務が再開され、処世術にたけた人が戻ってくると、そのような不満に改めて気づかされることになるだろう。くだけた会話で本領を発揮する人の多くは、コロナ下でリモートでの生産性が重視されていた時期は苦戦していた。今は、あきれ顔の(少なからずうらやましく思っている)同僚をよそに、笑顔を振りまき、握手を交わそうと待ち構えている。