「テレワークにもすっかり慣れたけれど、新人・若手社員の教育だけはどうしたものか……」という企業は多いのでは。外資系企業の事例を中心に、実際に効果を上げている新人・若手育成の秘訣(ひけつ)を2回に分けてお伝えします。前編は、新人を受け入れる育成担当側が知っておきたいことと心構え、そして、効果が出ている企業が、日々の業務に取り入れている育成コミュニケーションの実例を紹介します。(カスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役・代表講師、産業カウンセラー 片桐あい)
2020年に始まったコロナ禍。同年4月に発出された緊急事態宣言下で、やむなく始めたテレワークも、約2年たった今は、さまざまな課題が見えているのではないでしょうか。コロナが落ち着き次第、出社比率を上げる組織もあれば、感染状況に関係なく戦略的にテレワークを活用しようという動きもあります。テレワークが普及した結果、オフィスのダウンサイジングや移転などに取り組む組織も増えています。
一方、テレワークの大きな課題としてよく挙げられるのは人材育成です。メンバーが離れている環境でのOJT(日常の業務につきながら行う教育訓練、On The Job Training)やOff-JT(通常の仕事とは別に行う教育訓練、Off The Job Training)はやりにくいという声も聞かれますが、ポイントを押さえれば立派に成長する若手社員もいます。外資系企業では、一度もリアルで会わない上司やチームメンバーと仕事をすることも珍しくないわけで、離れた環境でいかに人を育てチームの連携を強め、仕事で成果を出せるのかをお伝えしましょう。