Twitter買収、Netflix初の加入者減少…メディア業界で大ニュース連発の理由Photo by Venti Views on Unsplash

実業家イーロン・マスクによるTwitter買収劇など、世界中のユーザーにリーチするメディア業界で大型M&A話が相次いでいる。CNN+の早すぎる撤退やNetflix株の下落など、さまざまなプレイヤーが入り乱れる、激動のメディア業界動向を追う。(テレビ業界ジャーリスト 長谷川朋子)

M&Aはメディア業界の上昇トレンド、各社生き残りを懸けている

 長者番付世界一、実業家のイーロン・マスク氏がTwitter全株式を440億ドル(約5兆6000億円)で買収オファーするや否や受け入れの見通しが立ち、マスク氏は買収に向けて順調に資金を調達中だ。この買収が実施されたら視聴者や競合他社にどれほどの影響があるのかは現段階では不透明だが、メディア業界では今、新たなゲームチェンジャーを目指す複数のプレイヤーがサバイバル状態であることを象徴するものだ。Appleがいつどのメディアを買収するのか、そんな噂話も飛び交う。実際、業界再編を目的に大型M&Aの動きがここ数年、立て続けに起こっている。

 今年3月にアメリカ・オースティンで開催された業界イベントSXSW 2022(サウス・バイ・サウスウエスト)のセッションでも「M&Aは業界の上昇トレンドにある」という発言があった。米最大手エンターテインメント業界誌Varietyのマーケットリサーチ部門に当たるインテリジェンス・プラットフォーム(VIP+)が解説した業界トレンド予測の中で言及したもので、チーフメディアアナリストを務めるアンドリュー・バレンシュタイン氏はその背景を「メディア企業の生き残り策にある」と説明した。