数ある動画配信サービスがある中でも、ネットフリックスの最大の強みはオリジナル作品にある。ネットフリックスジャパンの代表作と言えるのが、AV監督・村西とおるの半生を描いたドラマ『全裸監督』。この作品は、日本だけでなくアジア全域で人気を博した。日本のドラマや映画がそのまま海外でヒットする例は少ないが、なぜ『全裸監督』は海外でも受け入れられたのだろうか?
※この記事は『NETFLIX 戦略と流儀』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
ネットフリックスジャパンの初の代表作が『全裸監督』
2015年秋に日本上陸したネットフリックス。世界中に同時配信されたジャパンオリジナル作品の第一弾は、又吉直樹原作のドラマ『火花』だった。その後、恋愛リアリティーショー『テラスハウス』、アメリカでは社会現象となるほどの人気となった近藤麻理恵氏が片付けを指南するドキュメンタリー『KonMari~人生がときめく片づけの魔法』と続いていく。
そんなネットフリックスジャパンの代表作と呼べる作品が、2019年8月8日から世界同時配信されたドラマシリーズ『全裸監督』だった。一気見視聴を意識したテンポとストーリーへの没入感は「これぞネットフリックス作品」と呼べるもので、テレビ広告収入縮小の負のスパイラルに陥ってしまっている日本のエンタメ業界をぶった切る勢いの作品である。