日本銀行Photo:PIXTA

20年ぶり円安に「緩和維持」
米FRBは5月も利上げ

 ガソリンだけでなく、食料品や日用品、電気ガス代など公共料金の引き上げなど値上げラッシュが続いている。

 コロナ禍によるサプライチェーンの寸断や投機マネーの動きに加えて、ロシアのウクライナ侵略や対ロ制裁で化石燃料や食料価格の上昇が加速した。

 しかも、日本は、円安が止まらない。約2カ月前の3月4日には1ドル=114円だったが、4月28日には1ドル=131円台と2002年4月以来、20年ぶりの円安となった。日米金利差の拡大傾向が一段と強まっているからだ。

 アメリカでは、消費者物価上昇率は3月には8.5%と第2次石油ショック後以来のインフレ急伸で、FRB(米連邦準備制度理事会)は、3月の利上げ開始に続き、5月4日に22年ぶりとなる0.5%の大幅利上げを決めた。

 年内残り5回のFOMC(米連邦公開市場委員会)でほぼ毎回利上げする見通しで、今年度中にFRBの政策金利は2.25~2.5%になると予想されている。

 一方で日本銀行は4月28日の政策決定会合で「緩和維持」を決め、さらに「指し値オペ」を毎営業日行う金利抑制強化を打ち出した。

 アメリカとの金利差はさらに広がり、円安も物価上昇も止められそうにない。