「ガソリン補助金」の効果は未知数、政府6.2兆円の緊急対策は“一時的な痛み止め”ガソリンや食料品などの物価上昇に対する緊急対策がまとめられた。しかし効果が未知数な事業や「一時的な痛み止め」の色彩が強い Photo:Diamond

緊急物価対策で補正予算
「一時しのぎ」の側面

 政府は、ウクライナ戦争などの影響を受けたガソリンや食料品などの物価上昇に対する支援などを掲げた緊急経済対策を決めた。

 岸田政権発足後2回目の経済対策となるが、今年度補正予算案を編成し、補正予算額は2.7兆円規模になる見通しだ。

 ガソリン価格上昇を抑えるための石油元売りへの補助金増額や、低所得の子育て世帯に対する子供1人当たり5万円の給付などが盛り込まれたが、物価上昇の痛みをどの程度、軽減することになるのかははっきりしない。

 政策効果が未知数の事業や不公平感が強い支援も交じったものになっている印象だ。

 家計などの負担軽減や需要下支えを考えれば、より波及効果が大きい手法はほかにあるし、本来、必要なエネルギー構造や食料品自給率を変える抜本策は後回しにされた感がある。