原油価格の高騰は、サウジアラムコを潤す。そして、それ以上にサウジアラビア政府に利益をもたらすものだ。15日に発表されたサウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの好調な決算では、同社が2019年に実施した新規株式公開(IPO)で海外株主の大半を敬遠させる原因となった「相反するインセンティブ」が丸見えになった。少数株主が、自分たちの利益が筆頭株主であるサウジ政府の利益の二の次にされることを心配するのも当然だ。世界の原油価格が1バレル=100ドル前後で推移していることを背景に、アラムコの1-3月期(第1四半期)の純利益は395億ドル、平均使用資本利益率(ROACE)は27.2%となった。世界の競合他社同様、アラムコは配当を支払い、負債を削減し、株主にささやかなボーナスを提供した。他社と違うのは、設備投資を大幅に(昨年の319億ドルから今年は400億~500億ドルへ)拡大する予定であることだ。
アラムコ、時価総額首位でも二流銘柄である理由
原油価格が100ドル超えるとサウジ政府に有利
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