米国の景気後退を心配するのは早過ぎる。だが企業業績の「リセッション」を案じるのはまた別の問題だ。景気後退はそれほど頻繁に起こることではない。全米経済研究所(NBER)の景気循環日付委員会によると、1948年以降に景気後退に陥ったのは12回しかなく、この数十年は頻度も減っている。米国が今後景気後退入りすることはない、と言っているわけではない。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めを開始してからまだ日が浅く、雇用市場は堅調で家計も良好なことから、近いうちに景気後退入りすることはなさそうだ、と言っているのだ。業績リセッション(後退)は、一般的には企業利益が2四半期連続で前年水準を下回る状態を指し、景気後退よりもよく起きる。米商務省が発表している企業利益(税引き後)で見ると、1948年以降に19回の業績後退に陥っている。インフレ調整後の実質ベースでは、これが22回に増える。驚くことではないが、こうした業績後退時には株価も低迷することが多かった。
米企業の「業績リセッション」に警戒を
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