外国為替市場にボラティリティー(変動性)が復活している。先進7カ国(G7)通貨の変動の大きさを示すJPモルガン・チェースの指数は今年に入り、70%余り跳ね上がった。ユーロのボラティリティーを示すある指標は、昨年11月からこれまでに2倍以上に達し、3月にはほぼ一貫して上昇した。為替市場のボラティリティー指数が急上昇するのは、通貨の価値が急激に失われているときだ。こうした変動は、長引くインフレと世界的なサプライチェーン(供給網)ショックが2022年の金融市場にもたらした混乱の大きさを改めて浮き彫りにしている。金利上昇やロシアのウクライナ侵攻、中国の景気減速は、通常であれば静かな為替市場を根底から揺るがした。ドルは急騰し、主要通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数はここ1年で13%余り上昇した。その間、ユーロは対ドルで14%余り、英ポンドは13%近く、それぞれ下落した。
復活するボラティリティ、為替市場でも猛威
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