中国中央国債登記結算(CDCC)と上海清算所のデータによると、外国人投資家は4月に中国の元建て債券を1085億元(約2兆0800億円)売り越した。売り越しは3カ月連続。外国人投資家は2月、中国資産への投資に伴う地政学リスクや同国の厳格な新型コロナウイルス対策による経済的影響を警戒し、投資の縮小を始めた。中国国債は4月、利回りが10年余ぶりに米国債を下回り、その魅力が一段と低下した。4月の売越額は3月の1125億元をわずかに下回った。中国の国債と政策銀行債(大手政府系金融機関が発行した債券)に占める外国人の保有比率は大きいが、100%ではない。4月はリヒテンシュタインに拠点を置くVP銀行などが売りに回った。VP銀行のフェリックス・ブリル最高投資責任者(CIO)によると、同行は昨年6月、中国国債に初めて投資し、富裕層の顧客から一任された資産のうち約2%を同国債に振り向けた。